曲の紹介|ブルー・シャトウ

曲の情報
- 曲名:ブルー・シャトウ
- アーティスト:ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
- 作詞:橋本淳
- 作曲:井上忠夫
- 編曲:森岡賢一郎
- レコード会社:CBS / 日本コロンビア
- リリース:1967年3月15日にシングルEP版・リリース(B面:甘いお話)
- サマリー:ジャッキー吉川とブルー・コメッツの代表曲で、第9回日本レコード大賞を受賞。レコードの累計売上は150万枚を記録し、日本のグループ・サウンズ史に残る国民的ヒットとなった。
曲について
「ブルー・シャトウ」は、1967年に発表された日本のグループ・サウンズを象徴する名曲です。
この楽曲は作詞を橋本淳、作曲を井上忠夫が担当し、日本的な抒情性をたたえる独特のメロディと、幻想的な歌詞が魅力となっています。
発売と同時に爆発的な人気を博し、現在でも幅広い世代に愛されています。
歌詞のテーマは「ブルー・シャトウ」(青い城)に象徴される幻想的かつ叙情的な世界。
森と泉に囲まれた青い城で、愛しい人を待ち続ける主人公の切ない想いが描かれています。その世界観はどこか郷愁を誘い、聴く者の心に深い余韻を残します。
森と泉に かこまれて
静かに眠る ブルー・シャトウ
あなたが僕を 待っている
暗くて淋しい ブルー・シャトウ
きっとあなたは 紅いバラの
バラのかおりが 苦しくて
涙をそっと 流すでしょう
夜霧のガウンに 包まれて
静かに眠る ブルー・シャトウ
メロディは、ファとシを抜いた「四七抜き(よなぬき)短音階」を基調としながらも、外国調のリズムやアレンジを融合した点が特徴。バンドの圧倒的な演奏力と重厚なコーラスワークが楽曲の完成度を際立たせています。
また「ブルー・シャトウ」は当時、子どもたちの間で“語尾に食べ物の名前をつける”替え歌が大ブームになり、社会現象となりました。
一世を風靡した「ブルー・シャトウ」は、単なるヒット曲にとどまらず日本の音楽史に残る不朽の名作となっています。
曲の動画
以下の動画をアップ、リンクしています。
アップ動画:
- ブルー・シャトウ (ジャッキー吉川とブルー・コメッツ – トピック)
リンク動画:
- ジャッキー吉川とブルー・コメッツ – ブルーシャトウ – 1967
- (H Shigeoka1さんの動画)
アーティストの紹介|ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
インフォメーション
- アーティスト:ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
- 黄金期メンバー:
- ジャッキー吉川(ドラムス。リーダーとしてバンドを牽引し続けた中心人物)
- 井上忠夫/井上大輔(フルート・サックス・ボーカル。作曲家としても功績多数)
- 高橋健二(ベース・ボーカル。バンドの重厚なサウンドを支えた)
- 三原綱木(ギター・ボーカル。巧みなプレイでGSファンに人気)
- 小田啓義(オルガン・キーボード・ボーカル。多彩なアレンジ力を持つ)
- 結成:1957年(主要メンバーが揃い現在の形になったのは1965年)
- 公式サイト/参照:ジャッキー吉川とブルー・コメッツ – 公式ページ等
アーティストの軌跡
ジャッキー吉川とブルー・コメッツは、日本のグループ・サウンズ(GS)ブームを支えたレジェンドバンドです。
1957年にロジェ滋野らにより結成され、1960年代に入りジャッキー吉川がリーダー、井上忠夫ら実力派メンバーが加わり黄金期を迎えました。
彼らは高い演奏技術・アンサンブル力と読譜・作編曲能力を兼ね備え、GSの中では珍しい「大人のバンド」としてスーツ姿&短髪のビジュアルで一目置かれていました。
代表曲「青い瞳」「青い渚」「ブルー・シャトウ」など“青いシリーズ”のヒットを連発し、特に「ブルー・シャトウ」は日本レコード大賞受賞、NHK紅白歌合戦への連続出場など、その人気と確かな音楽性で全国的ブームを巻き起こしました。
西洋リズムと和旋律の融合を先駆けて展開し、日本の歌謡曲やポップスに新たな息吹を与えた彼ら。社会現象ともなった“替え歌”だけでなく、洋楽志向と歌謡曲的旋律の葛藤を抱えながらも、時代を象徴する名曲を多く残しました。
興味深い逸話として「ブルー・シャトウ」を作曲した井上忠夫は後年、この曲がヒットしたことを「悲劇だった」と振り返っています。
彼はもともと洋楽寄りの格好いい楽曲を目指していたのに、歌謡曲調の「ブルー・シャトウ」が大ヒットしたことで、バンドが歌謡曲調の作品を歌うことが増え、洋楽に傾倒した作品が隅に追いやられる結果になったと語っています。
メンバーの多くは亡くなっていますが、小田啓義や三原綱木がその遺産を受け継ぎ、今も伝説のバンドとして語り継がれています。(※2025年5月現在)
ジャッキー吉川とブルー・コメッツは、現在も日本のポップミュージックに大きな影響を与え続けています。
ディスコグラフィ
代表曲
- 1966年 青い瞳
- 1966年 青い渚
- 1967年 ブルー・シャトウ
- 1967年 マリアの泉
- 1968年 すみれ色の涙(こころの虹のB面、1981年岩崎宏美がカバー)
- 1968年 さよならのあとで